「親の期待に応えたい」 その婚活はキツいだけ。
結婚相手の選び方
親の意向
『代理婚活親の会』というようなものもあり、お互いの子供の情報交換をしたり、親同士が連絡を取りお見合いのセッティングをしたりして会わせたりしています。
婚活中の方も、“親の意向”を理由にお相手条件を設定される方もいらっしゃいます。
結婚に関して、ある程度は親の希望を聞いた方が上手くいくのは当然です。
ですが、そうするとなかなか婚活がうまくいかないケースが多いのも事実です。
親の期待通りの人と結婚しなくてはとお考えの方々へ今回は、お読みいただきたい記事です。
目次
ひなたのご縁で実際に合ったS子さまの事例
「自分の理想の人と結婚すれば、子供は幸せになれる」と思うお母様
親が子供に結婚して欲しいのは、もちろん子供の幸せを願っているから。
そして、「孫の顔を見たい」「自分が亡くなった後、心配」といった理由でしょう。
愛する人と結婚を希望するのは、ご本人も親御さんも同じですよね。
ですが、いざ愛するお相手を親に紹介…となると、収入・学歴・職業などで親から反対されるケースは意外に多いものです。
子供の結婚に対しての願望や希望などがあることも多く、親が結婚相手の理想と条件を子供に口出しや強要したり、交際中にもお相手への干渉をしてしまうことも少なくありません。
ここまで読んで、「親に強要されたって、ちゃんと話して分かってもらえるでしょう!?」と思った方も多いでしょう。
ひなたのご縁で実際にあったS子さまの事例
婚活カウンセラーの私が何度も思い出しては、もっとこう言えばよかった…と後悔しているご面談があります。
コロナ禍に入ったころ。お母様とご一緒に面談に来られた35歳のS子さま。
お母様からの問い合わせで来られましたが、実は私は本人とはすでに面識がありました。
お父様は公務員、お母様は専業主婦(以前は公務員)、S子様(お子様)も公務員でした。
お母様は、綺麗にしていて物腰は穏やか。
「娘を大切にしてくれるなら、多少の条件は譲ってもいいんですが…」と前置きして語られたお母様のお話をまとめると、以下の通りです。
- S子さまには今すぐにでも結婚させたい
- 相手希望は国立大卒の公務員か医師・弁護士
- 宮崎県外の転勤がない
- 年齢は同年代
多少の条件は譲っていいと仰いましたが、口調からはとても譲る気はなさそうでした。
S子さまは、婚活パーティーでお会いしていた時の表情とはまるで別人でした。
お母様の前では萎縮してしまっているように感じました。
私は、面談中「S子さんは、いかがですか?」と何度も聞きましたが、終始「私もそう思います」とお母様に同調するだけ。
私は、婚活パーティーでどういった方にマッチング希望を出していたかを知っています。お母様の意向とは異なりますし、マッチングも何回かしています。
ですから「違いますよね!S子さまの本心は違うと思います!」と何度も言いたかったのですが、S子さまの表情を見ていると言い出せませんでした。
「娘を大切にしてくれるなら」多少の条件は譲ってもいいとお母様は仰います。
そこで私は、思い切って言いました。
するとお母様は、「もちろん、それも大事です」と。
それも…それ“も”!?それこそ一番大事ではないですか?
語気を強めてそう言いたかったのですが、私は当時「そうですよね」としか返せませんでした。
私は穏やかに、
- 結婚相談所でのご結婚は厳しいと思う
- 数十年後、お母さまが亡くなった後も、幸せに生きていくパートナーと出会うには、条件以外の部分“こそ”大事。
- S子さまが好きになった相手がよほど条件から外れていなくても結婚を了承して欲しい。
- そうすれば、きっとお相手は見つかるはず。
上記を伝えたところ、お母さまの笑顔が曇ったのを感じました。
私は、それから数年、何度も何度もどう話せば良かったかを考えました。IBJ本部の婚活カウンセラーさんにも、私がどう話すべきだったか相談しました。
もちろん、お母様からの問い合わせで上手くいったケースも多くございます。
でも、上手くいった方々は、お母様が同席の面談でも、ご本人は笑顔で話してくれています。
子離れできない親
過保護・過干渉な親
親にとって子供は、大人になっても、いつまでも自分の『子供』。だから、幸せな結婚をして欲しい。
全ての親にとって同じことですよね。
「子供にきちんと自立して欲しい。」と願っているはずです。
でも、そのアドバイスが、口出しや干渉、時には強要となってしまう場合もあり、子供の精神的・社会的な成長を妨げていることに気が付かないということも起きてくるのです。
つまり、『結婚したら自立』になるわけではなく、『自立してから結婚』すべきです。
この順番を間違えてしまうと、当然婚活もうまくいきません。
もし、結婚できたとしても、過保護・過干渉な親のままなら、結婚生活に関しても黙ってはいませんよね。
子供が自立したら、婚活は子供主導であるべきです。
子供の自立とはナニ?
『実家暮らしだから自立していない』という訳でもありません。
特に実家暮らしの男性にはそんなイメージがあるのも事実ですが…。
一人暮らしでも、自立していない成人男女もいます。
親から家賃や生活費など仕送りやおこづかいをもらっていたり、親が頻繁に訪ねて来て身の回りの世話をしていたり・・・。
それとは逆に、経済面で将来を計画的に考えているからこそ同居を選択している方、事情があり親のそばに少しでもいてあげたいと考えている方、独身時に親と同居は割と普通でしょう。
子離れしている親と自立した子供で良い関係性を保てるから同居できている事もあります。
親離れ出来ない(させてもらえない)子供
親の言いなり・自分で決められない子供
『親の言いなりになる→自分一人で決められない→自立していない』となるならば、親のせいで子供が自立できていないと言えます。
親の意向を最優先に結婚相手を選ぼうと考える方は、以下2パターン。
- 親と揉めたくない。親が望む条件のお相手を探したい。
- 親の意向に沿った方がうまくいくと考えている
1.親と揉めたくない。親が望む条件のお相手を探したい。
親の意向に沿ったお相手を希望される方の大半がこの理由です。
多くの人は義務教育までの人生を親の希望や意見に沿って歩んでいます。
そして、高校進学の際にある程度の将来展望や夢を持って最初の大きな進路決断を自分ですることになります。
そうなれば、学校以外の家庭での学習や生活、習い事などたくさんの選択が親主導になってしまうでしょう。
社会に出るまでの長い期間を親の意向に沿った生き方をしてしまう子供も多いでしょう。
そうなると、自分の希望・意思が生まれた時に親へ素直に伝えられなくなっていくでしょう。
そして、もし自分で決断し行動して失敗したり上手くいかなかったときのことを考えても、同じように不安や恐怖心が生じてしまうでしょう。
親が決めたことに従った場合、何かあったら解決してくれたり手助けしてくれるかもしれないという甘えがあり、自分で決めたことではないので責任逃れもできます。
2.親の意向に沿った方がうまくいくと信じている
親の希望に沿った人生を歩んできて、苦労や大きな失敗もほとんどなく上手くいってきた方に多くみられる傾向です。
もちろん、ご本人の努力もありますが、親主導の人生ですから、親からの金銭面・精神面と生活的なサポートなどがたくさんあったはずです。
ですが、それまでの人生で、親の意見や希望に従って選択したことが多ければ多いほど、自分で決断したり解決したりする機会も失っているのです。
でも結婚生活は、お相手と歩んで築いていくもの。
そして、いずれは子供を持ち自分の家族が増えていきます。
お相手や自分が築いた家族も巻き添えに、これからも、いつまでも親の介入がなければ上手くいかないような人生で良いですか?
親孝行と自分の幸せ
幸せ?親孝行のための結婚
結婚を親孝行と捉える方も多くいらっしゃいますし、普通の事です。
- 親に会うたびに結婚を催促される
- 親が元気なうちに孫の顔を見せたい
- なんとなく結婚についてのルールがある
- 結婚して親を安心させたい
- 実家、家督を継ぎたい
- 相続しなくてはならない土地・不動産がある
あなた自身は、結婚したい気持ちは本当にあるのでしょうか。
もしかしたら本心では結婚したいと思ってはいないかもしれません。
親の希望や意見を、ある程度聞いた方が後々うまくいくと考えるのは当然ですが、『親の為の結婚』ではなく『あなた自身の結婚』なのです。
親孝行のために決めた結婚相手だと、上手くいかないことがあった場合に関係を改善をしようという気持ちになれないこともあります。
あなた自身が幸せになることが一番の親孝行です。
たとえ親が思い描いた相手と違っても、あなたが幸せな結婚生活を送っていれば親の気持ちも少しずつ変わっていくでしょう。
孫が出来たら激変、なんてこともよく聞く話です。
親に反対されていた結婚相手でも本人たちがしっかり向き合っていれば逆に強い絆になります。
長い結婚生活を第一に考えて
親の希望するお相手条件は、ご自身にとっても大切な条件でしょうか。
もっと大切な条件ってないですか?
ご自身の幸せに必要な条件をもう一度考えてみて欲しいのです。
親世代とは異なる時代背景や価値観
女性の大学進学率・就職率が上がったこともあり、共働きを続ける家庭も増えてきています。
育児介護休業法の改正により男性の育児休業取得が推奨されていくことになります。
すると、今後「結婚相手に求めること」も変わってくるのかもしれません。
そして結婚の年齢。親御様の世代の昭和に適齢期として言われていたのが『25歳』。
厚生労働省の「平成28年度人口動態統計特殊報告(婚姻に関する統計)の概況」では、昭和50年女性の初婚平均年齢が24.4歳、昭和60年では25.3歳とあります。
「クリスマスケーキ同様、女性は25歳までに結婚しないと売れ残る」と言われてきた時代もありました。
厚生労働省の同様のデータをもとに都道府県別の初婚平均年齢をランキング別にしました。
■平均初婚年齢が低い都道府県■
【男性】
1位 宮崎県(29.9歳)
2位 山口県(30.1歳)
3位 佐賀県(30.2歳)・長崎県(30.2歳)
【女性】
1位 山口県(28.6歳)
2位 福島県(28.7歳)・島根県(28.7歳)・宮崎県(28.7歳)
3位 岩手県(28.8歳)・岐阜県(28.8歳)
平成になってから平均年齢もどんどん上昇し、令和に入ってからは「結婚適齢期」という言葉は今や死語といって良いでしょう。
結婚年齢だけでも、親御様の世代とは大きな違いがあります。
親とは異なる自分の性格やお相手の好みと条件
親と子。血がつながっていても別の生きものです。
親と子供は外見も内面も違えば、歩んできた人生も交友関係も違います。
親が子供を理解していたとしても、生きていく中で環境や時代の流れで考え方やも求めるものは変わっていくもの。
自分で考えて選択して行動していないと、先々不安や悩み、そして後悔が生まれやすいものです。
親が亡くなった後も長く続く結婚生活
もしこの記事を親御様にお読みいただけているなら、子供が結婚して新たな家庭を築いていく前に、子離れし、親離れさせるところから始めてみませんか?
お子さんの人生なのですから、親の願いや希望・理想を子どもに押し付けて欲しくないと思います。
親が相手を気に入ったから、話が一気に進んだという話もよく聞きます。
実際に結婚となれば本人同士だけではなく、家同士の長いお付き合いも始まるのですから、親の意見や希望はあるのが正直なところでしょう。
しかし、親はときどき悩みを聞いてあげたり、背中を押してあげたりするだけでも結婚に一歩近づけると思います。
そうやって子供もたくましくなり、立派な親となる事こそ、親御様への大きなひとつの親孝行となるはず。
いつまでも親が生きているわけではないのですから、自分の幸せや結婚について自分を“軸”に考えることが大切ですよね。
- 親の為ではなく、あなたのための結婚。
- あなたが築いていく新しい家族。
- 幸せな結婚を実現したい、あなたのための婚活です。
例えあなたの結婚が良くない形で終わってしまったとしても、あなた自身の人生の選択を自分自身で出来たのならば、『反省』はあっても『後悔』はないはずです。
後悔のない人生を歩みましょうね!
今回のポイント!
結婚したい本当の理由は?親のため?自分の幸せとは?
- 婚活のきっかけが母親の後押しからであっても、実際に結婚する本人の強い意思や行動力がないと結婚相談所での活動はおススメしません。
- 子供の生活や人生に関わり過ぎる親と、親に甘え頼り過ぎる子供、親は変われないかもしれないけど、まずはあなたが自立してから婚活は始めましょう。
- 親の価値観も変わってくることも多い!
- 結婚してもしなくても、子供が幸せでいることが親孝行に繋がる。自分の気持ちや幸せを最優先にした婚活を。
- 自分で考え選択し行動しないと、先々不安や悩み、そして後悔が生じやすい!
- あなたの結婚です。あなたの婚活です。